洪水収束後のバンコク不動産マーケットの行方は?
洪水収束後のバンコク不動産マーケットの行方は?
史上最悪ともいわれる今回のタイの洪水もようやく収束の兆しを見せ始めた11 月15日、英字紙バンコクポストのオンライン版に“一部の国会議員が呼びかけ~新首都圏をバンコク以外の地方へ”という記事が掲載された。いわゆる「遷都」の提案だが候補に挙がっているのがスワンナブーム空港からも比較的近いナコンナヨック、かつてのムエタイのヒーローであるカオサイ・ギャラクシーの故郷として知られるペチャブーンなど。いずれも今回の大規模洪水でも被害が比較的軽微だった地域だ。首都移転については過去にも話題になったことがあるが、あらゆる機能が集中しているバンコク以外にその地を求めることは、少なくとも短~中期的には現実的には難しい話だろう。
コンド需要の高まりを予想~ネーション紙の記事
今回の洪水ではバンコクの北部に位置する隣県や市内北部、西部(チャオプラヤ川西岸)のエリアに広範な被害が及んだ。浸水の深さが1メートルを超えた地域も多く、戸建てやタウンハウスなどの低層住宅が特にダメージを受ける結果となった。このような事態を受けて「今後のタイ(バンコク)不動産マーケットではコンドミニアム(高層住宅)の需要が増えるだろう」という報道が多く見られるようになってきている。
こちらはバンコクポスト紙の記事
従来地元のタイ人購入者においては①投資目的 ②スカイトレインや地下鉄沿線に勤務先があり、通勤に便利(20~30代の独身&カップル)といった理由以外ではコンドミニアムよりも一軒家やタウンハウスを好む傾向が強かった。バンコク都心部のコンドミニアムは㎡単価が割高なので、小面積のユニットでも郊外エリアの戸建てよりも高額になってしまう。またある程度の収入がある層は100%といっていいほど自家用車を持っているので、駐車スペースに限りがあるコンドミニアムを好まないといったこともある。(移動の際にスカイトレインや地下鉄を利用しないので、駅近くに住むメリットも無い)
バンナーエリアで建築中の高層コンド The Coast
しかし今後はこういった傾向に大きな変化が出てくることが予想される。
①既に戸建てを購入している層は新たに「バックアップ・レジデンス」としてコンドミニアムの購入を検討
②これから不動産の購入を計画している場合は低層住宅からコンドミニアムへのシフト
といった動きが出てくるだろう。加えて今回冠水しなかったエリアの物件の人気が高まることは必至だ。
既に不動産情報では“洪水の無い地域の物件です”の文言が
マーケットの本格的な回復は来年以降になるだろうが、既に洪水被害の及ばなかった区域の新築コンドミニアムのセールスオフィスでは、問い合わせや見学客が増えている。またパタヤではバンコクからの一時避難先として賃貸需要が急激に増加したが、今後購買についてもニーズが高まっていく可能性が高く、こちらも要注目のエリアとなりそうだ。
関連情報
◎タイの不動産情報誌と業者の活用法について
◎日本在住でもオーケー 少額資金でも可能なプレビルド投資とは?
◎10月30日 バンコク都心部(BTS沿線)の様子
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