タイのコンドミニアムは今買い時か?そうだとしたら選ぶ基準は?そうでないとしたら・・・第1回
新規プロジェクトのアナウンスが華々しく続くバンコクのコンドミニアムシーンですが、今回のお題は超シンプル。「果たして今現在、買って良いものなのか否か」です。現況を知るには過去に学んでみるのが良い方策、まずは以下の数字をご覧ください。
バンコク市内でバンナー~ウドムスックエリアといえば「次に来るか!」と注目を集めているロケーションですが、ここ数年(10年を越えない程度で)、いったいどれくらいのコンドミニアムが供給されてきたのか、ちょっと振り返ってみましょう。物件名のあとの数字が室数です(1室単位の数字は適宜切り上げ、切り下げ)
◎スカイトレイン バンナー駅周辺のプロジェクト
- REGENT HOME(1750)
- THE COAST(820)
- BEYOND SUKHUMVIT(180)
- THE SKY(730)
- IDEO O2(1560)
- IDEO MOBI SUKHMVIT EASTGATE(850)
- ・・・
- (順不同 建築中も含む)
◎スカイトレイン ウドムスック駅周辺のプロジェクト
- IDEO BLUECOVE(420)
- IDEO MIX(1180)
- IDEO SUKHUMVIT 66(300)
- ELIO DEL NEST(1500)
- PAUSE103(270)
- DOLCHE UDOMSUK(79)
- SENCE SUKHUMVIT(150)
- ABSTRACTS SUKHUMVIT 66/1(56)
- CITY HOME SUKHUMVIT(970)
- ・・・
- (順不同 建築中も含む)
上記のラインアップには築10年以上の“第一世代”のコンドミニアムBANGNA RESIDENCE(410)、COUNTRY COMPLEX(720) などや、駅から距離のある物件 I CONDO SUKHUMVIT 103(840)、MY CONDO 103(330) などは含めていません。それでも1駅につき、優に5000以上のユニットが誕生しているわけです。
参考記事
・昼はリーズナブルな中古コンド見学 夜はクラフトビールで乾杯~バンナー交差点を東へ西へ
・バンコク大家が行く~付帯施設充実、近所には多数のレストラン&パブ 100万バーツ台のバンコク市内築浅コンドミニアム館内拝見
オンヌット、ベーリン、中心部のアソークやプロンポン、トンローの各駅周辺では更に多くの新旧コンドミニアムがあり、今後も各社からニューフェィスが続々と登場してきます。「一つの駅周辺」どころか「一本の路地」だけで、数千単位の部屋がお目見えしている場所も珍しくありません。加えてアパートメント、サービスアパートメントも増え続けていますので、ここ数年でバンコクの共同住宅の室数は、“とてつもなく”増加している、ということになります。
特に小サイズ(中心部では30㎡台、郊外エリアでは20㎡台が多い)の間取りは今や(言葉はよくないかもしれませんが)、“街中に溢れている”といっても過言ではありません。それでも地元タイ人アッパーミドル層の増加や世帯構成の変化、中国・シンガポール・香港各国など海外からの投資熱もあって、新規物件の売れ行き(予約状況)は概ね好調のようです。「よし!乗り遅れないぞ」という気持ちにもなったりしますが、ちょっとクールダウンして、状況を捉えなおしてみましょう。
①部屋が増えれば貸主も売主も増える
「発売間もなくほぼ予約完売!」などの“熱い”宣伝文句もよく目にしますが、小面積ユニット(20㎡~30㎡台)の購入者はタイ人外国人とも、自己居住用ではなく投資目的のケースも多く、建物が完成し登記のタイミングになると「さっさと手放す」ケースもよく見受けられます。タイの新築コンドミニアムは、予約段階ではごく少額の払い込みで権利がキープ出来ますので、一購入者が複数室を予約するケースも一般的。
登記時期が迫りますと◇予約前の転売が果たせなかった◇ローン審査が通らなかった◇家庭の事情が変わった◇もっとよい物件が見つかった…等の理由による“予約権利お譲りしますユニット”が、1物件あたり100室、200室といった単位になることも珍しくありません。
前述のようにマーケットへの供給数は飛躍的に増加していますので、完成前の物件にせよ中古物件にせよ、部屋の売主(貸主)の数も以前とは比較にならない程多くなっています。購入者サイドからすれば選択肢が拡がっているのは好ましい状況、じっくり吟味が出来る時代になったと言えるわけですね。
② 登記の近づいた移譲ユニットなら、実際の造りがチェックできる!
登記直前のタイミングを狙えば、躯体がほぼ完成しているわけですから、実際の室内や共有施設をしっかりチェックできるという、決定的な強みと安心感が得られます。建築前の予約購入ですと、完成後の部屋があまりにショールームのイメージと食い違ってガッカリ、予定されていた完成時期が遅れる等の不安要因があるのは事実。その点、完成時期が近付いたユニットを自分の眼で確かめた上で納得~購入というステップは、外国人購入者には特に嬉しいポイントになるはずです。
冒頭に述べたように5年前、10年前と異なり、バンコクには既に多くのコンドミニアムユニットが供給され、今後も続々とその数が積みあがっていきます。THERE IS ALWAYS ONE MORE TIME(B.B.キングの歌唱などで知られています)という洋楽ナンバーをふと思い出しましたが、タイのコンドミニアムは「いち早く飛びつく」から「じっくり構える」購入スタイルに変わったといって良いでしょう。
ただ全てのプロジェクトがそうというわけでもなく、早期に予約(特に外国人枠)が埋まり、登記時の予約権利移譲マーケットにも出物が無く(つまりこの段階では購入できない、または価格が非常に割高になってしまっている)、そして物件完成後の賃貸状況も好調(テナントがすぐに決まる)&転売時には大きな利益を載せることが可能というプロジェクトもあるのですが、それは全体からみれば少数派です。
次回はそういった良質プロジェクトを見極める、「目の付け所」とでもいえるようなポイントを考えていくことにしましょう。どうぞお楽しみに。
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