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STAY HOME から STAY AWAY~駐在員減少/海外ノマド終焉/タイ人は郊外へ引っ越し?~コロナ後のタイ不動産をセグメント別に俯瞰するSTAY HOME から STAY AWAY~駐在員減少/海外ノマド終焉/タイ人は郊外へ引っ越し?~コロナ後のタイ不動産をセグメント別に俯瞰する

[2020年6月16日(Tue) 599 views]

新型コロナ感染の収束に伴い、現在段階的に各種規制の緩和が行われているタイ。7月からは徐々に外国人の入国受け入れも再開予定になっていますが、今後のタイ不動産マーケットはどのような動きを見せていくのでしょうか。今回は日本人投資家&購入者の視線から、その行方を占ってみることにしましょう。

#日本人駐在員およびその家族
#現地採用者・ロングステイヤー
#海外ノマドワーカー
#短期訪問(旅行)者
#地元のタイ人
#新ターゲット 海外富裕層

のグループに分けて以下に記していきます。

タイの国旗とプミポン国王のシンボルマーク

① 日本人駐在員は大幅に減少?

一連のコロナ禍では、“テレワーク”“リモートワーク”“ワークフロムホーム”~呼び方は様々ですが、在宅による業務遂行が世界的に推奨されました。勿論全ての業種、業務についてカバーできるわけではありませんが、今後も可能な限りビジネスのあらゆる局面においてそのウェイトは増していくことでしょう。    

そうであれば、海外駐在や海外出張の必要性が大きく減じることは必定。経費や手間、各種不安要因(引継ぎ交代や子供の進学、入学手続きなど)も大幅に減らすことができるわけですから。複数名の社員を派遣していた企業は単身者一人のみとする、駐在制度自体を取りやめる企業も増加するはずです。

一昔前でしたら「やはり日本人が現地に居ないと」という風潮もあったかもしれません。 はっきり言ってもうそれは過去の話、今の若い世代のタイ人は優秀です。商談の際に通訳を同行させる(必要がある)のはいつも日本サイド。タイ側は皆、英語のやり取りになんの問題もありませんから。

住居面でいえば、既に圧倒的な供給過剰状態にある“日本人租界”(プロンポン、トンロー)立地のアパートメントやコンドミニアムは、更にだぶつき気味になっていくはずです。これらのレジデンスは家賃帯が高額ですので、日本人が入らなくなったからといって代替のテナントを求めることが困難です。日本料理屋さんなどの飲食関連をはじめ、駐在員&家族をメインの顧客としていた他の業種にも大きな影響が生じるでしょう。

日本の本が売っている店の写真

② その他の「自己裁量」滞在者(現地採用、ロングステイなど)

タイには現地で日系や外資、タイ法人にアプライして働く“現採”組(主に20~30代)、シニア世代の長期滞在者、それ以外にも起業、出店、留学目的などで多くの日本人が居住しています。これらのグループのステイ先として、ここのところ人気があるのがプラカノン、オンヌット、プンナウィティ、バンナーなどのスカイトレイン駅近立地のコンドミニアムやアパート(スタジオ~1ベッドルームタイプの間取り中心)なのですが・・・

コンドミニアムの写真

近年はバンコク中心部のコンドミニアム価格が上昇したため、このエリアのプロジェクトを購入した投資家の方も多いことでしょう。この地域も圧倒的なオーバーサプライとなっており、家賃勝負に持ち込みませんと賃貸付けが難しい状況になっています。駅から徒歩圏&築浅プロジェクトでも例外ではありません。以前に購入されている場合はまだ対応可能ですが、ここ数年間では平米単価で12~13万バーツ超の物件が多かったので、もともと下降していた利回りが更に低下してしまうことになります。

従来であれば2万バーツ前後の家賃が見込めたユニットでも、数千バーツの値下げが当然のように行われており、駅からやや離れたロケーションになると6000~7000バーツ前後の提示も。物件価格の高騰からサムロン以遠あるいは新線(イエローライン、オレンジラインなど)沿いの新規プロジェクトを狙っている方も居られるかもしれませんが、物件価格と想定家賃のバランスについてはよく考慮されてください。

③ 海外移動系ノマドワークは実質不可能に

今後は出入国について種々の移動制限がかかってきますので、従来のような「バンコクを拠点として、自由自在に海外各国ステイ」というわけにはいかないでしょう。仮に日タイ間の移動規制が無くなったとしても、それ以外のA、B、C・・・各国への渡航履歴についてのチェックが厳格化されることにより、行動範囲が狭まり移動スケジュールも組みにくくなってしまいます。いったん空の便のシャットダウンが始まると、帰国&再入国が極めて困難になってしまうことは今回で実証済み。長期査証保持者と比してもハンディ&リスクは大きく、需要(数)は大きく減じていくと思われます。

④ 短期ベース(団体ツアー、個人旅行)訪問者の回復は遅い

航空会社の経営状態を考えると、航空網の縮小やエアチケットの高騰が容易に予想され、かつ健康診断書の事前取得必須など渡航準備の煩雑化も加わり、かつての「お得で気軽なタイ旅行」復活にはかなりの時間を要しそうです。

一方ホテルやSA(サービスアパートメント)は一人でも多くのゲストを取ろうと、超格安価格で部屋の提供を続けるはずです。そうなるとコンドミニアムをエアビー運用しているオーナーさんも、大幅なディスカウント価格を考慮していきませんと対抗できません。そもそもコンドにおけるエアビー事業はグレーというかブラック。見知らぬ外国人の頻繁な出入りについても、管理室や入居者(自己居住&通常の長期賃貸テナント)からの監視およびクレームが、より強まっていく傾向が避けられないでしょう。“外から来る者は災いをもたらす者なり”です。

部屋での宿泊を禁止する看板

またいわゆる“ホテル型投資”の案件にはご注意を。魅力的な文言が謳われていることが多いのですが、その予測がコロナ流行以前に行われたものなら全く意味がありませんし、現況を踏まえたうえでのシミュレーションというのも変な話です。世界的にどのような形でいつ事態が終息するのか不明な今の状況で、明確な数字(客室稼働率など)がはじき出せるわけがありませんので。購入を検討される場合にはどのような根拠に基づいた試算を行っているのか、また支払いスキームについてもよく確認されることをお勧めします。
    
⑤ タイ人向けの戸建て賃貸がこれからのトレンドに?

近年はスカイトレインや地下鉄駅至近の小サイズユニット中心のコンドミニアムに暮らすタイ人も増えていました。しかしこちらもリモートワークが浸透すれば、その必要性は減じるわけです。タイはもともと車社会ですから、郊外立地の戸建てやタウンハウスへの回帰が急速に進む可能性があります。

バンコクには東京のような長い歴史に培われた電車網は存在せず、郊外住宅であれば駐車スペースの確保も容易です。(市内のコンドミニアムのほとんどは居室数を下回る駐車場しか確保していません)

参考記事(2017年4月)
今日も闘いは続く~タイのコンドミニアム 「駐車場大戦争」

また見逃していけないのはタイ人の親子関係。タイでは日本のような高齢者向けの施設が少なく、子供が親の面倒を見るのが社会通念です。都心立地の集合住宅と異なり、親と子が同居できる間取りを確保できる点も、一戸建てやタウンハウスの大きなアドバンテージです。

戸建てのチラシ
戸建てのチラシ

ちなみにバンコク郊外の戸建てを賃貸に出しているタイ人の知り合いによると、テナントさん(タイ人夫婦&子供)はずっと長期で契約しているとのこと。

参考記事(2019年2月)
タイ不動産投資、コンドの区分所有以外に何がある~「アパート一棟」「更地」「戸建て」は、どうだ?

⑥ 新ターゲット 各国富裕層の取り込み

タイは今のところ国内での感染拡大封じ込めに成功し、回復率も非常に高い数字を示しています。これからの方向性として、その安全性を前面に打ち出した海外各国の富裕層向けプロモートの比重が強まっていくでしょう。(実際に日本円で億単位の物件のセールスが盛んになっています) プライバシーに配慮した高級レジデンス、空港での優先出入国、移動時の専用車両&ドライバー配置、充実した医療体制などを付随させたオールインワンシステムによる誘致プランがお目見えしてくるはずです。

参考記事(2019年7月)
画像満載 バンコクで一番高いコンドミニアム 98 WIRELESS “鑑賞記”

RAJADAMRI 185
RAJADAMRI 185

THE RITZ CARTON RESIDENCES AT MAHANAKHON
THE RITZ CARTON RESIDENCES AT MAHANAKHON  

*本文についてはあくまで個人の見解、体験について述べたもので、今後の事態の推移により状況が変化する可能性があります。

バンコクマインド タイの過去現在未来と音楽書籍映画の旅

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