遂に始まったバンコクのコンドミニアム大バーゲン、数百万円~1000万円超の割引は当たり前~でもよく調べましょう、買う前に。
予想されたことではありますけれど、タイのコンドミニアムの大安売りが始まっています。値崩れすることのなかったバンコクについても例外ではありません。高級物件なら、浮いたお金でスタジオタイプのユニットを1つ、2つ買えてしまうような案件もいっぱい。早速具体的な事例を検証していきましょう。
こちらの“バーゲンリスト(CBRE)”には、主にアソーク、プロンポン界隈のプロジェクトが並んでいます。THE ESSE、ASHTONなど知名度の高い物件もありますが、1ベッドルームタイプで100万バーツ以上(1バーツ≒3.3円として330万円)、2ベッドですと200万バーツ以上(660万円)の値引き幅です。スカイトレインのチットロム駅が最寄りのSINDHORN RESIDENCEは約67平米のユニットで300万バーツ弱のディスカウント、日本円で1000万円近い数字になっています。
続いて見ていきましょう。FYNN SUKHMVIT 31はシーナカリン大学近くの立地でスクムビット通りからは離れていますが(約1キロ)、この辺りは外国人の居住者が多いエリアでもあります。
リストには36平米と約112平米のユニットが掲載されていますが、フロアプランでいうと前者は北向きのAタイプ、後者は南向きのコーナールーム(Cタイプ)に相当します。こちらはそれほどの値下げ幅ではないようです。
MUNIQ SUKHUMVIT 23はスカイトレインと地下鉄が乗り入れているアソーク(スクムビット)駅に300メートルと便利なロケーション、大手MAJOR社の手がけた36階建ての高層物件。
リスト掲載の88平米~2ベッドルームということですと、南東方向のコーナーユニットに当たります。プライバシー度は高そうですが、間取りのせいかややリビング&ダイニングのスペースが小さいようにも見受けられます。
KRAAM SUKHUMVIT 26 はEMPORIUMやEMQUARTIERに500メートル強、ラマ4世通りに近いK-VILLAGEにも600メートル強とショッピングや飲食に便利な立地。4年ほど前のプリセール時にはメディアへの露出も多く、注目が集まっていたプロジェクトです。上記の広告はバンコクポスト掲載(2016年5月)、ショールームの雰囲気が良かったことを覚えています。
ソイの26立地だから、㎡単価が26万バーツ~ということではありませんが・・・エンポリアムに徒歩圏の高級新築コンド KRAAM
(2016年6月記事)
訪問時の見積もりは10階、102平米のユニットで2787万バーツ(平米単価で26万バーツ台)、リストのほうでは108平米、200万バーツ弱の値引き後で2950万バーツ(27万バーツ台)とさほど変わらない価格帯。
リスト最後の MARQUE SUKHUMVITは、プロンポン駅至近でスクムビット通りに面しているというバンコク市内でも有数のベストロケーション。日本人には特に生活しやすい環境が整っています。下記の記事は建築中の2016年11月に現地を訪問した際のものです。
BTSプロンポン駅まで30メートル&エンポリアム、エムクオーティエが目と鼻の先~ハイエンド新築コンドミニアム MARQUE 間もなく完成
この時の価格表では、13階124平米の2ベッドルームで
3825万バーツ、平米単価では約30万8000バーツという額を提示されました。バーゲンリストのほうではやや広い138平米のユニットが値引き後で、4636万バーツ(平米単価ではおよそ33万バーツ)と記載されています。“オリジナルプライス”からは800万バーツ(2500万円)以上も割り引かれているので目を惹きますが、このオリジナルという基準はどこに置かれているのか、よくチェックしたほうが良いかもしれませんね。(50階建てという超高層物件ですので、フロアが異なれば価格も大きく違ってくるという面はあるのですが)
最後に日本人居住区のメッカ、トンロー地区のプロジェクトを当たってみましょう。
リスト内のTELA THONGLORというプロジェクトは”Special Price”と記されていますので、特にお値打ちということなのでしょう。111平米と書かれていますが、間取りは以下の通り。
立地はトンロー通り(スクムビット ソイ55)のJアベニュー近くで日本人駐在員家族にはもっとも好まれるエリアです。リストでは3300万バーツとなっていますが、確かに同面積のユニットで4000万バーツ近くの売値が付けられているケースもあるので、その意味では大バーゲンではあります。しかし仮に(更に100万バーツのディスカウント交渉をして)3200万バーツで物件を購入して、いったい幾らの家賃を期待できるのでしょうか。
TELA THONGLORの外観
現況では10~13万バーツのレンジで貸し出されているようですが、購入時のコストや管理手数料、月々の共益費(本物件は1平米あたり120バーツ)などを差し引くと、利回りとしては正直かなり低い数字に落ち着いてしまうはずです。そもそもこの屋賃帯ですと、平均的な駐在員の家賃補助費を超えてしまっていますので、テナントターゲット自体が絞られてしまいます。
参考記事
やがて悲しきタイ不動産投資~ネットとグロスの乖離が止まらない、これだけの理由
(2018年10月)
今後もバンコクやパタヤの不動産については、一大プロモーションセールが展開されるフェイズが続くと思われますが、単に値下げ分の数字のみに注目するのではなく、各プロジェクトのプリセール時の価格やその後の価格変動履歴などをよく吟味し、かつ購入後の賃貸付けのシミュレーションについても入念に検討されることをお勧めします。
一方、中~長期的な自己居住(ロングステイ、セカンドハウス、移住)用という使途であれば、確かにお宝物件ゲットの好機到来とも言えます。各々の購入目的によって、ベストの選択を心がけましょう!
*文中の数字、仕様等は変更される場合があります。
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