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TM30(外国人居住報告書)について、「タイ不動産」をキーワードとして捉えてみると・・・TM30(外国人居住報告書)について、「タイ不動産」をキーワードとして捉えてみると・・・

[2019年6月4日(Tue) 306 views]

最近、在タイ外国人や長期間の観光者のあいだで TM30 という言葉が飛び交っています。簡単に言ってしまうと「タイ国における外国人の居住地届け」という意味合いなのですが、数年前から地方都市で、今春よりバンコクにおいてもその申告義務が強化されているのです。

その解釈や実際の必要書類準備がやや煩雑なこともあって、かなり混乱が生じているようです。今回は特に単に観光、ロングステイという観点ではなく、タイ不動産(を保有している/を貸している)という括りから、どのような対応をしていく必要があるのか、考えてみることにしましょう。

バンコク市内のコンドミニアム外観画像

この届け出については急に策定、実施されたということではなく、数十年前から存在していたものです。「外国人を所有の住居に居住させる場合には、24時間以内の報告義務がオーナーサイド(提供する側)にある」という内容です。当時は外国人が泊まる場所といえば、ホテルやユースホステル、ゲストハウスとパターン化していましたので、宿泊者自身は特に意識することもなかったということです。宿側も(しっかりとしたマネージメント態勢であるならば)ごく当たり前に、日常のルーティンワークとして行なっていたわけです。

ところが近年に至り、外国人の宿泊形態は実に多彩なものになっています。知り合いのタイ人の家に泊まる。外国人やタイ人オーナー所持の住居を借りる。また最近は自宅やコンドミニアム(マンション)をエアビー運用しているケースも多くなっています。

利用者にとっては旅&滞在の選択肢が拡がっていることになりますが、“チェックする側”からしますと、外国人の所在確認が非常に困難になっているわけです。「もし何かあったら」「もし何かされたら」という杞憂が膨らんでいるのですね。例えばコンドミニアムの個人オーナーが(外国人の)テナントさんとしっかりとした賃貸契約書を結んでいたとしても、それは単なる個人間の取り決めであって、警察(イミグレーション)のあずかり知らない領域ですので。

エアビーの場合などはごく短期間での利用者が圧倒的でしょうから、更に事態は深刻です。「タイに入国後、居所の特定できない外国人が国中の“どこか”&”あちこち”に散らばっている」という事態になってしまいます。残念ながら安全と言われていた国々でもテロ的な行為が止むことはないのが世界の情勢ですので、外国人の居住地をしっかりと把握しておく必要があるという方向性の強化はある種、当然のことと言えます。

ただ前述したように、条例の制定時と比べて現況の外国人の居住スタイルが大きく異なっているので、運用の実務面でねじれが出ているのは事実です。以下にタイ不動産と関わりのある日本人(外国人)としての対応策をパターン別に見ていきましょう。

申請用紙画像

◎自身でタイ不動産(コンドミニアム)を所持していて、自身が住んでいる

この場合はオーナー=賃貸人ですので、TM30の用紙記入や書類準備も比較的簡単です。全ての関連ドキュメントを自分が持っているわけですので。用意するものは以下の通りです。

・権利証のコピー(全頁)
登記移転の名称欄(現在の権利保有者、つまり自分の名前がタイ語で記されている箇所)をマーカー等で分かりやすくしておくと親切です。

・パスポートの写真頁、直近のタイ入国スタンプのある頁、ビザ(ロングステイビザなど)の押されている頁のコピー *青色ボールペンでパスポートと同じサインが必要

・TM6(タイ入国時に機内で配られるもの)の両面コピー *青色ボールペンでパスポートと同じサインが必要

・月々の管理費の支払い領収書や電気、水道代の請求書など(自分の名前と住所が確認できるもの)
権利証ではすべてタイ語の表記となっていますので、それとの照合用に使います。(実際にあなたが住んでいるのか?という裏付けですね) こちらはコピーではなく実物を持っていってください。

注)顔写真等は不要です。また申請料のようなものはかかりません。タイ人オーナーの際には必要なタビアンバーン(住居登録証)等の提示も求められません。

で、これらの書類を揃えて、所轄のイミグレーションオフィスに申請に行きます。バンコクですとチェーンワタナにある政府総合庁舎になるのですが、現況(5月末現在)ではタイ人オーナーも多数詰めかけており、アパートメント経営などをしている場合には多数の外国人テナントについてリポートする必要があるため、申請受理に非常に時間がかかっていて、数時間待ちは当たり前の状況です。(TM30の用紙は窓口で貰えます。事前にダウンロードも可能)

市内の看板画像

◎自身でタイ不動産を所有していて部屋を外国人に賃貸している。賃貸管理全般については現地の業者に委託しており、自身はタイ国外に居住している

このパターンの方は多いと思われますが、当然自分が届け出を行うというのは物理的に無理です。TM30は本来オーナーに提出義務があるのですが、テナントの代理申請も認めています。(オーナーは委任状のサインをする必要あり) それ以外の代行申請は不可ということになっていますが、そのあたりも含めて業者さんによく確認することをお勧めします(というよりも、しっかりとした業者さんなら詳細なガイダンスがあってしかるべきですが)

オンラインの申請も可能~ということになっているのですがサンプルパターンがタイ語で記載されていたりしますし、イミグレーションのTM30受付カウンターでも記入例が掲示されているのですが、何とそれらもタイ語バージョンのみだったりします。経験値のある業者さんでしたら、それらのフォローも行なってくれる(行なわなければならない)はずですので、個々のオーナーとしては権利証や賃貸契約書の所在をしっかり確認し、求められた場合にはすぐに提出(コピー)出来るよう準備しておくことでしょうか。

注)日本ではなく、タイ以外の外国に居住されている方ですと権利証等が手許にない場合もあると思いますので、書類の所在についてはよくチェックされてみてください。

◎自身でタイ不動産を所有していて部屋を外国人に賃貸している。賃貸管理全般については自身ですべて行っている

このケースはオーナーさんがタイに居住している場合にあり得ますが、割合的には少ないかもしれませんね。必然的にある程度の不動産知識、語学力が備わっているという前提になると思いますので、テナントさんに不必要な心配をかけないよう迅速に動くことを心がけましょう。タイ人ないし外国人オーナーのリンクもあることでしょうから、情報入手に困るということはないはずです。日本人のテナントさんからすれば「言葉の問題なく、手続きを任せることが出来る」というアドバンテージに繋がりますね。日本人以外の外国人に賃貸している場合には、英語なりの言語で要説明、対応という作業が必要になってきます。

最後に「借りる場合」について。

タイ人にしろ外国人にしろ、特にバンコクエリアで賃貸ユニットを持つオーナーにとっては、今回のTM30トピックは寝耳に水、といった人も多いようです。なんといっても届け出については24時間以内に行うべしという、非常にタイトな条件が付いていますので。(繰り返しますがホテルなどではルーティンのワークです)

その義務を怠った場合には(オーナーに対して)罰金が科せられることになるのですが、それよりも問題なのはTM30の届け出を行っていない場合には、俗に90日リポートと呼ばれている書類(TM47)の受付やビザの更新・延長等を認めないというポイントです。今後どのような判断が下されていくか分かりませんが、「最悪、罰金を払ってチャラにしてもらえばいいや」というスタンスではいられない事態もあり得るかもしれません。

従って、賃貸を検討している際には相手のオーナー(タイ人であれ外国人であれ)が、真摯な態度で責任をもって対応してくれる人物であるかどうかが重要です。なかには「なんですか、それ?」 「あー、適当にやり過ごしておけばいいんですよ」という認識程度の人も居ますので・・・仲介業者さんを通している場合にはその業者さんにも同じことが求められます。いちいち確認しないと答えが返ってこないようでは、オーナーさんとのあいだのスムーズな仲立ちも期待できないということになります。

そういった意味からも、個人的には全室が賃貸用として運営されているワンオーナーのアパートメントやサービスアパートメントのほうが、遅滞ない対応が見込めるような気もします。「忙しいから(面倒くさいから)、あなたが自分でイミグレに行ってくださいよ」というようなこともないでしょうし。仮にそのようなことであれば、幾らでも他の物件の選択肢があります。(超供給過剰状態ですから) 対応がよろしくない物件は少なくとも外国人から敬遠され、淘汰されていくだけです。

タイのコンドミニアム投資が抱える大きな弱点~ワンオーナーのアパートメントには勝てません・・・その理由は?

罰金の額や現実にどこまで適用されるのか、24時間を超えた場合についてはどうなるのか(“数日間程度”の猶予がある、との話も聞きます)といったことは今後の事態の推移を見守るしかありませんが、大家側の責任や手間が増えたことは間違いありません。特にタイ国外居住の外国人オーナーにとっては頭の痛い事態です。

仮に代行申請などが認められるようになっても、その際の手数料などが余計に発生してくる可能性もありますね。ただでさえ諸経費(賃貸契約時のサービスフィーや月々の管理委託費など)が以前より上昇していますので、投資効率の面からしても看過できない問題でもあります。

またこの制度が浸透していきますと、以前のような「藪の中」といったことではなく、外国人がオーナーである居室の運営状況が炙り出されるというか、表面化していくことにも繋がっていくことになります。オーナー側としてはその点についても留意していく必要がありそうですね。

祈りを捧げるタイ人。バンコクではよく見かける光景

今回は長文になってしまい、失礼いたしました。TM30については「タイ入国後、頻繁に滞在場所を変えた場合はいちいち報告するのか?」「固定の住居はタイ国内にあるが、例えば数日間タイ国内を旅行した際はどうなるのか?」など色々と IF~もしも想定が出来うるのですが、事態が落ち着いてきましたらクリアになっていくことも多いと思われます。

異なる事例ですが、タイにおけるアルコールの販売規制~買えない時間帯があるという条例も実は以前から存在しており、その条文には公園や学校、病院では販売禁止(あるいは販売可能な距離表示)など、様々な条項が詳細に記載されたりしています。

TM30の運用に関しては個々のケースにおいてもその適用、判断が分かれてくることも考えられますので、柔軟に対応していくことをまずは心がけましょう。

*上記の文章については単なる一見解を示したものですので、その点ご了承ください。

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